無資格・未経験の若い男が介護職に
勤めていた蕎麦屋がつぶれて介護職に
自己紹介的なお話ですが
私が介護職になろうと思ったのは21歳の時です。
その時勤めていた上野駅の中のお蕎麦屋さんが閉店となり
1人暮らしをしていた私は、すぐ次の仕事を探しました。
求人雑誌をめくりながら、(当時)「時給1600円~2000円」
と書いてあるジャンルを見つけて
あまり考えないで応募。
それは、東京都赤羽にある、ヘルパー事業所でした。
自分は資格なし、経験なし、特に志もなし・・
面接先の会社で「あ、ここは介護の会社なんですね」
って言ってしまったくらい。。
よく面接に受かったなあ、と思いますが
時は2000年。
介護保険が始まった年で、とにかく「介護職を増やそう」
という時代でした。
まず、ヘルパー2級・・いまで言う「介護職員初任者研修」
資格を取りなさい、という事で
その会社がやっている無料講習に行きました。
無料といっても条件があり、資格を取ったあとは
その会社で2年は働いて下さい、というもの。
資格も職場も手に入れられるなんて素晴らしい!と
約3か月の講習を受けに行きました。
座学・実技講習・施設実習
今は福祉の専門学校も受講生が少なく定員割れという事も聞きますが
私が講習を受けた時はクラスに50人くらいの生徒がいました。
年齢もバラバラで、なんだかワクワクしたのを覚えています。
受講生が多すぎて、たとえばオムツ交換の実技などでは
順番がまわってこずに見るだけで終わったりしましたが
「まあ、現場に出れば何とかなるだろう」と楽観的に考えました。
(いま思うと、それがプロを名乗るなんて怖いですね・・)
クラスでの座学が終わると
数日間の現場(施設・在宅)研修があります。
特別養護老人ホームという施設に3日間行った時の事を覚えています。
他の受講生はだいたい都内の施設に行きましたが
自分ともう1人の生徒さんだけは、ほぼ栃木県にある「柳生」という
町の施設を指定され。
その町に泊まれば良かったんだけど、お金も無かったので
3日間「通勤」し・・
初日は大遅刻。
始発で出発し、見知らぬ駅で乗り換えようと
ホームでずっと待っていたら
駅員さんが「そこ、しばらく電車来ないよ」って。。
絶対に大遅刻すると思い、施設に電話。
「もう、来なくていいですよ」と冷たく言われ(当たり前)
ましたが、とにかく施設に行く。
かなり昔ながらの外観の施設で、錆びた鉄の門がモノモノシイ。
その入り口でインターホンを押すと、女性の施設長さんが出てきて
「何しに来たんですか」
(あ、さっきの電話の人だ。怖いなあ・・)
とにかく研修させて下さい、と頼み込み
何とか3日間の研修をさせていただきました。
実技の練習もほぼしていなかった中で
何十人もの入浴介助をして目がまわり
食事の配膳では、名前と顔が全然一致せずに困ったり
とにかくヒヤヒヤしながら研修終了。
最後は、あの施設長さんも
「よく頑張ったね。資格が取れたらウチで働きなよ」
と声をかけて下さった。
(いや、遠いからなあ)と思いながら
元気良く「はい!」と言い残し、施設をあとにしました。
そんなこんなでヘルパー2級の資格が取れて
右も左も分からない状態で、介護職生活が始まりました。
ただ、この時はまだ分かっていなかったのです(;゚Д゚)
調理も、掃除も、オムツ交換も、入浴介助も、通院の付き添いも、食事介助も・・
ほぼ何も出来なかった若い男性ヘルパーが
介護職というものを通じて、どうなっていくのかを。。
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