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オーストラリアの老人ホームでボランティアした時の話(2)

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海外老人ホームボランティア

 

四苦八苦しながら、ホーム到着

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オーストラリアの老人ホーム初日。

 

朝ごはんを食べ、ジェニファーにバス停まで送ってもらい

一緒にバスを待っていました。

 

バスが着くと、ジェニファーが運転手さんに

「この人、行き先はここだから。声をかけてあげてね」と。

 

こうした気遣いが本当に嬉しかった

 

バスが発車し、自然豊かな住宅街を走っていきました。

 

初めての町はとても新鮮で

子どものようにワクワクしながら風景を見ていて。

 

ある駅に停まると、運転手さんが笑顔で「着いたよ」と言いました。

お礼を言い降車。

 

老人ホームまでは

バスから電車に乗り継ぎ、徒歩というルート。

 

旅では、移動しているだけでも刺激的。

 

窓口で切符を買います。

あまり英語が伝わらず、何度か言い直して購入。

 

駅のホームでは何人か電車を待っていて

上半身裸の若い男がマンドリンを弾いていました。

 

裸でも電車乗れるのかなあ。面白いなあ

 

電車で目的の場所に行き、降りてから迷子

 

もともと地図を読むのが苦手な私は、異国の地で途方に暮れました。

 

アップダウンのある街並みを歩きながら

「出勤」時間に遅れそうだなあ・・と焦りながら、人に道を聞きました。

 

あまり英語も伝わらず、数人に聞き、ホームに到着。

 

横長の1階建ての老人ホームは、庭にたくさんの花が植えてあり

その日はよく晴れていて、青空もマッチしていて、とても綺麗。

 

たどり着いたものの「大丈夫かなあ」と心配になり

インターホンを押すのを、ちょっとためらいます。

 

訪問介護で、初めての現場に入る時みたいに。

 

でも、行くしかない。

 

 

インターホンを押しました。

 

「ノエリーン」との出会い

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年配の女性が迎えて下さり、オリエンテーションを受けます。

 

まずは施設の案内で、ホームの中を見せてくれました。

 

ナーシングホーム

 

日本でいうと特別養護老人ホームにあたるのでしょうか。

 

「先回り」のケア改革に注目!オーストラリアの介護事情-介護お役立ち情報|介護の転職求人なら介護ぷらす+ (kaigoplus.com)

*引用元:「介護ぷらす+」様

 

確か20人弱の入居者様が住んでいましたが

誰が入居者様で、誰がスタッフか分からんと思いました。

 

そのくらい自然。

 

制服もないし開放的な雰囲気の中で

ゆったり暮らしているという印象。

 

半袖短パンの男性スタッフに紹介された時は

「ようこそ」と笑いながら、ボクシングのパンチをふざけて打ってきたり

とにかく、みんなフレンドリー。

 

国籍なんて気にしないのかな?」と感じました。

 

こうした経験を積むことで、心もバリアフリーになっていく気がします。

 

 

スタッフさんについて歩いていると

遠くの方でジッとこちらを見ている女性がいます。

 

身長は170cmくらい。

 

白いワンピースを着て、首には何種類もネックレスをつけています。

 

杖をつき、ちょっと焦点の合わない目をしている彼女は独特の雰囲気でした。

 

その女性の名は「ノエリーン」といいました。

当時、90才くらい。

 

彼女は遠くの方から手招きしていて

ちょっと幽霊に見えなくもなくって(;゚Д゚)

 

スタッフさんも

ああ、ノエリーンと一緒に過ごしておいで」と言い

私はワケも分からず、彼女についていきました。

 

この老婆は何も質問せず、私をホームの色々な場所へ案内します。

 

庭のバラ園ではロッキングチェアに座り

ゆっくりとタバコをふかしている女性がいます。

 

赤い口紅と青いドレスが印象的です。

 

彼女は『ローズ』。外国に移住した息子を待ってるのよ

とノエリーンが言いました。

 

あだ名か本名かは分かりませんが、遠くを見つめている「ローズ」は

確かに、誰かを待っているように見えました。

 

他にも

あのおじいさんは、元々スポーツ選手だった」とか教えてくれます。

 

そして、ノエリーンは自分の部屋(みんな個室です)に招き入れ

 

これをあなたに見せたかったのよ」と言いながら

古いビデオテープを取り出し再生しました。

白黒画面の、昔のコメディ映画が流れます。

 

フフフと笑う彼女とベッドに隣り合わせに座りながら

「なんだか不思議な時間だなあ」と思いながら

なんだか日本と変わらないなあ、とも感じました。

 

「案内」が終わり

スタッフさんに「ノエリーンは何か病気なの?」と聞くと

彼女は『ディメンシャ』よ」と。

 

持っていた辞書で調べると「認知症」。

 

それから3日間、ボランティアの合間に

ノエリーンと過ごす時間が多くなりました。

 

食堂にはピアノがあり、私は楽譜が読めないのですが

コード弾きで「これは日本の有名な歌だよ」と言って

「ふるさと」を弾き語ると、彼女は眼を閉じながら

グッドソングね」と言いました。

 

彼女はいたずら好きで、私に「隠れて!」と言って

2人で隠れたあと、スタッフさんを後ろから驚かせたり。

 

遠くにいる入居者様にポップコーンを投げてしらんふりしたり。

 

相手の方も笑っていましたが、これ「問題行動」でしょうか?

 

時間がある時は、また部屋で同じコメディ映画を観ます。

 

この同じ映像が、ノエリーンの安全基地なのかな」と思いました。

 

「多様性のやさしさ」を肌で感じた

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ボランティアでは、基本的に

「食事の配膳」「入居者様とのコミュニケーション」が主でした。

 

配膳といっても、食堂に集まった男女の名前と顔が一致せず・・・

 

冷や汗をかきながら、スタッフさんに聞きながらやりました。

 

ノエリーン以外でも

色々な入居者さんやスタッフさんが話しかけてくれ

 

「日本はどんなところ?」「私が行った国はねえ」など

 

アジアの片隅から来た若造に、なんでこんなに優しいの」というくらい

というか、何も関係なく「人間として」接してくれているような。

 

 

移民を受けていれる文化が成熟しているというところは

日本と違うなと思いました。

 

これは、自分が新人さんとか実習生さんを受け入れる時など

取り入れたいなと感じた部分でもありました。

 

ボランティア最終日に起こった「小さな奇跡」はココから↓

オーストラリアの老人ホームでボランティアした時の話(3)
オーストラリアの介護現場で出会った人たち。みんなが「ケアするのが当たり前」という意識を持って接してくれたから、本当に心地よく過ごせたし、私の「介護観」のもとを作ってくれました。ありがとう。

 

 

【レバウェル介護 派遣】

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