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介護の仕事に「感動」「きれいごと」は必要?

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このブログの最初~最新の記事集

介護職の本質はどこにあるのか?

 

介護(福祉)業界で働いて20年以上が経ちます。

 

個人的な印象かも知れませんが

この業界には「感動」「きれいごと」

やけに強調されている気がします(;^ω^)

 

長く現場でやってきたスタッフさんにしたら

「そんなに大層な事かなあ」と首をかしげるかも知れませんし

 

これから介護業界に入る人からしたら

「聞いていたキラキラと違う!!」と思ってしまうかも知れません。

 

「理想と現実のギャップ」が起きている気がします。

 

今回の記事は

「介護業界の『感動』『きれいごと』を強調されるのにモヤモヤしている人」

「介護の仕事の本質を知りたい人」

に向けて書かれています。

 

読まれた方の、何か参考になれば幸いです。

 

どうして介護業界は「感動」を強調するのか

質問, 疑問符, 世論調査, 問題, テスト, ソリューション, 考える

 

人手不足を解消し、イメージアップをしたいから

これは介護業界の人なら、ず~っと当たり前に知っている事ですが

「介護職を増やそう。なぜなら人手不足が大問題だから」。

 

2025年度には介護人材が34万人不足、処遇改善などで年間6万人の確保を目指す―厚労省 | GemMed | データが拓く新時代医療
今年度(2018年度)からの第7期介護保険事業計画を基に、「将来、必要となる介護人材」の数を推計すると、2020年度には約216万人、2025年度には約245万人となる。今後、年間6万人程度の介護人材確保が必要である―。 厚生労働省は5 …

リンク元:「Gem Med」様

 

どのくらい人手不足なのかは上のリンク内に書いてありますが

シンプルに「だいたいの会社で、人が足りない」

 

その原因として、よく「介護業界はブラック」「3K」

と言われ続けていますが、実際は少し違うと思います。

 

「業界」がブラック・3Kなのではなくて

「その会社」がブラック・3Kなんです。

 

実際、私は何度か介護業界内で転職をしましたが

ブラック・3Kという職場はありませんでした。

(そういう職場を意識的に選んでいたのもあります)

 

ただ、友人介護職の話を聞いたりすると

「なんてブラックなんだ!!」と思う事もあるので

「良い職場もあれば、悪い職場もある」というのが事実だと思います。

 

ニュースでも「虐待」「低賃金」「介護離職」など

事実の側面もあるかも知れないけど、良くないニュースを多く流すので

(介護の良いニュースって、あまり聞かないですよね・・)

あまり人が寄り付かないのかも知れません。

 

労働環境が似ている「保育士」さんが人気なのは

何が違うんでしょうか??

 

介護業界は「なんとなく悪いイメージがついている」。

 

そのため、心ある介護業界の方々が、様々なイメージアップを試みています。

 

・現場の素晴らしさを言語化している

・スタイリッシュな発信や、面白いイベントを開催している など

 

こうした「人手不足解消」のための動きは

介護業界に限らず、他の業界でも同じようにあると思います。

 

ただ、介護は「福祉」という、ある種独特の業界であるので

「感動」「きれいごと」と結びつきやすいです。

 

確かに介護職が不足し続けている現状は大問題です。

高齢者は増えていくのに、それを支える人が少ないのですから。

 

イメージアップをして人手を増やす。

これは本当に大切な事だと思います。

 

純粋に「介護職の魅力」を発信したいから

講義, 手足の男性, 文字, スピーチ, フィギュア, グループ, 聞く, 男

 

確かに介護の仕事は魅力的な側面があります。

 

ご利用者やご家族の人生にまるごと関わるので

そこにドラマがある事は間違いありません。

 

そして、介護業界は「いかにもどん底の業界」というイメージがあるので

それを「修正したい」気持ちもあります。

 

「感動」「きれいごと」を強調するのと

「介護の仕事はココが楽しい・素晴らしい」と、まっすぐに表現するのは

実は似て非なるものだと思います。

 

介護は「素敵な仕事」であるのは間違いないけれど・・

学生, 発表, コミュニケーション, アジア, デモンストレーション, 女の子

 

「どうして介護業界のキラキラが、うっとうしく感じるんだろう」

 

今まで何度も、そう感じてきました。

 

私は介護の仕事が好きで、ずっとやってきたのは確かですが

・・いや、だからこそ「過剰に押し付けられるようなキラキラ表現」

違和感を感じる事があります。

 

「ありがとうと言われる仕事です」

「ご利用者主体のケアを目指します」

みたいな文言に首をかしげてしまいます。

 

ちょっと皮肉っぽいかも知れませんが

この「モヤモヤ感」の正体を見つけてみたいと思います。

 

何か「盛ってないですか?」

花火, シルエット, 7月4日, お祝い, 幸福感, ハッピー, 応援団, 夜

 

私は24時間テレビが好きですが

それでも「あの演出方法」はどうかな?と思います。

 

確かに、そこに出演されている方々の人生ドラマは感動しますし

やっぱり涙してしまう事もあるのですが

 

司会やゲストの芸能人の方々の「盛り上げ方」と「反応」が

なんだか「わざとらしい」「泣きに持っていこうとしている」風に感じるんですね。

(それが演出意図だし、芸能人の方々に罪はないですが・・)

 

「視聴者として、そう感じた」というのを言いたいわけです(^_^;)

 

介護業界・介護の仕事の良さを発信している媒体などを見る時

同じ「わざとらしさ」を感じます。

 

そして、それは「発信している人達」が悪いとも思いません。

 

彼らは多分、純粋に「介護の仕事の良さ」を表現しているだけでしょうし

仕事のやりがいとかを言葉にする時、どうしてもきれいごとになりやすいから。

 

ただ「ちょっと盛ってない??」と感じるのは

現場ではよくある光景のはずなのに「介護の革命がなされた!」とか

「私がこれからの介護を変える!」とかを目にした時でしょうか。

 

「ご利用者主体じゃなかったんかい!」と突っ込みたくなります(笑)

 

スタッフ自身が自己実現のために仕事をするのは良いですが

ご利用者はその「道具」じゃありません。

 

本当の意味の「ご利用者ファースト」には感じません。

 

あ、そうか。

「盛っている」というよりは「ウソをついている」ように感じるんです。

 

あの頃、キラキラした目で「介護革命」を語っていた人達は

今どこで何をしているんだろう?と思う事があります(・_・;)

 

ボランティアじゃないんです

感情, 悲しみ, 感情の, 視力, 視線, 人間, エキサイティング, 孤独感

 

介護職の魅力を聞かれた時に、必殺技のように出てくるのが

「ありがとうと言われる仕事です!」という文言。

 

これ、20年以上前から使われているテンプレートです(;”∀”)

 

「他にないんかい!?」と言いたくなります。

 

高い給料も、良い人間関係も、素敵な福利厚生も用意できず

ムリヤリひねり出した、または思考停止した文言に思います。

 

介護の仕事はボランティアじゃありません。

 

訪問介護でもデイでも施設でも

スタッフが「対価をもらえるクオリティ」を提供して

初めてお金をいただけるものだと思います。

 

「ありがとう」をもらって満足している場合じゃなくて

「本当に感謝されるだけの事をしたのかな?」

自問自答の毎日がそこにあるべきだと思うんです、個人的に(;´・ω・)

 

私でいえば「ああ、今日は良い仕事した!」と思えるのは

年に数回です。

あとは反省、反省の日々・・。

 

「お金もらえるだけの仕事出来なかったなあ」

それが実感です。

 

まあ、私のレベルが低いのはいうまでも無いのですが

「介護職=奉仕=ボランティア=美しい=対価は気にしなくていい」

みたいな図式があるとしたら、違うと思います。

 

優劣なんて、つけられません

オリンピックリング, オリンピック, リング, オリンピック大会

 

全国には、介護のコンテストや

「どの事業所が一番素敵な取り組みをしているか」

みたいなイベントが、けっこうあります。

 

これ自体は「いいなあ」と感じますが

「点数」「順位」をつけるのは、いかがなものかと思っています。

 

そういったイベントの主催者さん達も

「優劣なんて、つけられないよね」って感じていると思います(多分)。

 

参加者のモチベーションを上げるため、

見ている人に分かりやすいため

便宜上「点数」「順位」をつけているのだと思います(多分)。

 

だって「ご利用者とお墓参りに行きました」って

どこにでもある、普通の介護現場だと思いますし。

 

別に、大げさに言うほどの事じゃないというか(-_-;)

 

知り合いのグループホーム管理者が

入居者さんと筑波山に登頂したけど

まさか、あれも美談になるのかな??

(登頂自体はすごいと思うけど・・)

 

介護現場は「みんな優勝」でいいじゃないんでしょうか?

 

介護職の本質

では「感動」「きれいごと」じゃない

「介護職の本質」はどこにあるのか。

私の意見です。

 

普通の日常を支える仕事

日没, 男性, シルエット, 助ける, 救いの手, 冒険, 身長, クライミング

 

人生のどこかで病気になり、ケガを負い

「要介護状態」になり、誰かのケアを受ける。

(本当は受けたくないのに・・)

 

ご利用者もご家族も

そんな究極の状態で「どこの誰か知らない他人に」

日常を見られるわけです。

 

これは、本当に「異常事態」ですよね。

 

介護スタッフにとっては

「来た仕事だから、やる」で良いんですけど

「ケアを受ける人達」にとっては

「普通じゃない状況」なんです。

 

そこに「介護に革命を」とか

「自己実現のために介護やってます」みたいに来られたら

どう思うでしょうか?

 

それは「ご利用者ファースト」と言い切れますか?

 

ご利用者やご家族にとっては

「もっと現実的で深刻な状態」なんです。

 

そこに、スタッフのキラキラが入り込むスキは

一片たりとも無い、と私は思います。

 

介護スタッフは、あくまで「その方が生きるための媒体」であり

スタッフが前に出るのは違う。

 

その方が、朝起きて夜寝るまでの時間で

必要な部分を、適切な対応で支えていく連続の日々。

 

個別性に対応する「クリエイティブな」仕事

年, 女, 古い, おばあちゃん, 肖像画, 人, 年齢, 顔

 

「介護の仕事」をした事がある人なら分かると思いますが

こんなにクリエイティブな仕事は、あまりありません。

 

もちろん、オムツ交換、清拭、食事介助などを

「作業」としてやっているスタッフさんであれば

「どこがクリエイティブ?」と思うかも知れません。

 

作業としてやっていないスタッフさんなら

「ご利用者によって違う対応をしているんだから、クリエイティブ」

という事を理解しているんじゃないでしょうか。

 

ご利用者によって

スタッフは「表情」「会話の内容」「声の大きさ」

「会話のスピード」「目線の高さ」「ジェスチャー」

などを、瞬時に変えています。

それも、毎日。

 

相手は「人間」ですから、毎日同じ対応をして

同じ結果が出るわけはありません。

 

相手の体調、顔色、モードなどを見ながら、感じながら

「その人にとって快適か、楽しいか」を提供し続ける。

 

それを、介護職は「日常的に」やっています。

 

そして、そんなスゴイ事をしているのに

どうして「介護業界は最低」とか言うスタッフさんがいるんでしょうか。

 

あなたがどれだけスゴイ事をしているか

誰も評価してくれない。

 

ご利用者は分かっている。

ご家族は分かっている。

 

介護が必要な状態になり

ご縁があって、あなたというスタッフに会った。

 

ご利用者の「普通の日常」を

「なるべく落ち込まないように」支える。

 

出来れば「介護が必要になったけど、人生悪くない」

くらいに想えるきっかけに介護スタッフがなれれば

 

「お金をいただけるレベル」に達したのかも、と思える気がします。

 

介護に、過剰な「感動」や「きれいごと」はいらない。

 

それは、業界のイメージアップを図るために

やむを得ず生み出された現象。

 

「介護の仕事」の本質は

「ご利用者の暮らしを支え続ける事」。

 

それは、淡々としたものだと思います。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^♪

 



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