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はじめての身体介護。

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お客様とのエピソード集

身体介護のお仕事依頼を初めて受けた頃のお話

 

初めて「身体介護」の仕事をした時の話

すでに入っていた「通院介助」も身体介護の部類ですが
その時は「歩くのを見守る」のがおもな仕事でした。

次にいただいた仕事は本格的な身体介護。

身体介護とは

お客様の身体に直接触れておこなう介護。

例: 排泄、食事、入浴、清拭(体を拭く)、着替え、歩行、服薬などの介助

 

最初に訪問したのは、寝たきりの男性宅でした。

痰の吸引機がベッドわきに置いてあり

会話もほとんど出来ません。

筋力が落ちているために腕も足も枝のように細く
さわったら折れちゃんじゃないか」というのが第一印象でした。

ご家族と暮らしていたのですが、ご家族が仕事に行っている間
オムツ交換、清拭、着替え、簡単な調理、食事介助をしてほしいというご依頼。

午前と午後に1~2時間ずつの訪問です。

私みたいな初心者にはお仕事のボリュームが大きかったので
先輩ヘルパーさんが数回、同行してくれました。

まず、オムツ交換。
先輩はパパっと終わらせますが、自分はアタフタ・・
紙オムツの表と裏を間違えたり、ピタッとあてないのでズレたり。

同時にお体を拭いて、着替え。
すべての動作に介助が必要な「全介助」状態なので
どのくらい腕を曲げていいのか、とか「骨折しないかな」とか

お客様の表情(あまり変わらないから分かりにくかったですが・・)を
見たりしながら、汗だくでおこないました。

 

調理の出来ないホームヘルパー

困ったのは調理です。

私はその頃、地方から上京して1人暮らしをしていましたが
家ではなんとなくの調理くらいしか出来ず
「お客様に提供するレベルの食事」がどんなものかも分からず。

今は、ヘルパーが作る食事のレベルは

「いわゆる家庭料理」で大丈夫という事が分かりますが

当時は未知の世界でした。

ある時、仕事に行く前のご家族から

ほうれん草のおひたしを作って下さい。

 あと、酢豚と肉じゃが、どっちが得意ですか?」と聞かれ

どっちも出来ないのですが(´;ω;`)

自信満々のフリをして
まあ、肉じゃがですね」と返答。

「じゃあ、お願いします」とご家族は出勤。

ああ、困った。
リュックから料理の本を取り出し、「肉じゃが」のページを探します。

並行して、ほうれん草のおひたしも作りますが
考えてみれば、おひたしも作った事がなく

とりあえず、煮ればいいだろう」と10分くらいグツグツと
ほうれん草を茹でたので、えらく柔らかいものが出来上がりました。。

肉じゃがは、本を見ながら「こうかな?」と冷や汗をかきながら作り
どんどん時間は経っていくし、まだジャガイモは固いし。
味見しても、美味しいのかどうかよく分からない(;´・ω・)

幸い?そのお客様は
嚥下障害(食べ物や飲み物がうまく飲み込めない)」があったために
調理した物をミキサーでペースト状にして提供するスタイルだったので
調理した段階で多少の柔らかさ・固さの誤差は問題なかったようです。
(それに気づいたのは調理のあとでしたが)

作り終えた物を配膳して、その方が寝ている状態から
電動ベッドの頭・上半身部分を上げて

(ベッドからズリ落ちないよう、足にクッションなどをはさんで)
教わった通りに、飲み込みやすい自然な体勢をとっていただき
ペースト状の物を、スプーンで少しずつ、様子を見ながらお口に運びます。

正直、ペースト状の食べ物は「あまり食べたくないなあ・・」と思いました。

その後、たくさんのお客様と話したり、様子を見たりすると
皆さん、そういう感想を持っておられるようです。

ただ、調理の仕方や、各メーカーさん、栄養士・調理師さんなどの努力で
とても味の良いものや、ペースト以外でもムースタイプ、美味しいやわらか食など
色々なタイプが出ているので、好みや嚥下(飲み込み)の状態に合わせて
選ぶ事が出来ます。

このようにドタバタで始まった身体介護でしたが
慣れてくると、2時間かかっていた事が1時間ちょっとで終わるようになります。

お仕事が早く終わり、やる事もなく、お客様もゆっくり眠っておられると
春の日などは、ウトウトしてしまい
1度、本当に居眠りをして、帰宅したご家族に起こされた事があります・・。
駅員さんに「終電ですよ!」と言われた人のようにガバッと飛び起きました。

こちらのお宅には1年以上訪問させていただき
午前・午後と行っていたので、身体介護についての基本を教わりました。

 

「相手に合わせた所作」が大切

同じ時期、別のお宅でのこと。

男性のお客様で、ある分野の道場を経営されていました。

道場が見える位置にベッドを置き、お体はほぼ動かないのですが
意識ははっきりされ、会話も出来ます。
お仕事の内容は「清拭、オムツ交換」です。

この方の事を、私は「先生」と呼び、色々なお話をうかがいました。

特に男性のお客様に多い印象があるのが
「仕事論」「人生論」を教えてくれることです。

 

この先生からは「日本人の、美しい所作とは」という話を聴きながら
「なるほど。そういう感性の方なんだな」と感じて

場所が道場という事もあり、気も引き締まって
お体を拭く所作なども、何となく凛とせねばなるまい、みたいな(笑)

あなたの清拭は、エステみたいだね
何度目かの訪問で、先生が言いました。

この時に学んだのは
所作(たちふるまい、言葉遣い)は、現場によって違う。
 所作を現場によって変える事が、お客様のリラックスにつながる

ということ。

今はケアマネジャーというお仕事で、実際に身体介護をする事も
ほぼないので、だいぶ感性も腕も錆びついていると思いますが
この教えは、「先生」との時間で得たものでした。

 



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