初めて訪問介護の現場に行った頃の話。

ホームヘルパーになってから。

 

ヘルパー２級（現・介護職員初任者研修）の資格を取り

ホームヘルパーになった２２歳の私は

東京都赤羽のヘルパー事業所に登録してもらいました。

 

その事務所は若い社員さんが多く、明るい雰囲気で

とても話しやすく、安心して働けたのを覚えています。

社員さんと登録ヘルパーさんの仲も良く、年上の人達もふくめ

たまに飲みに行ったりもしました。

 

登録ヘルパー（非常勤・アルバイト）がお仕事をいただく時の流れ

ヘルパー登録をすると、事務所から

「〇月〇日の〇時～〇時でこういうお仕事があるんだけどいかがですか？」

という連絡が来ます。

 

お仕事の区分けは

「身体介護」

「生活援助（当時は家事援助と呼ばれていました）」

の２つで、時にはそれらを組み合わせたプランもあります。

 

お仕事の内容は、たとえば

・オムツ交換

・入浴介助、清拭（お体を拭く）

・病院への付き添い（今は、病院送迎が介護保険、病院内付き添いは自費）

・食事介助

・掃除、洗濯、買い物、調理

などがあります。

 

お仕事が発生する流れは

お客様が要支援か要介護の認定を受ける

↓

行政や地域包括支援センターなどからケアマネジャーを提案してもらう

　（お客様自身やご家族から直接ケアマネ事業所に依頼する事も可能）

↓

ケアマネジャーがお客様と相談し、必要なサービスを提案・調整

↓

ヘルパーやデイサービスなどのサービス事業所とお客様が契約

↓

お客様・ご家族・ケアマネジャー・各サービス事業所で担当者会議（話し合い）

↓

ケアマネジャーが「こういう形でサービスをしていきましょう」とケアプランを作る

↓

サービススタート

となります。

 

「ホームヘルパーのサービスが必要」と

お客様やケアマネジャーで話し合いがされたら

担当者会議からヘルパー事業所が呼ばれ、契約し、ケアプランを作って

そのあたりで事務所からヘルパーさんに「こういう仕事どう？」と連絡が来ます。

 

初めての現場

自分が初めていただいた仕事は「通院介助」でした。

当時は病院までの送迎から病院内での介助まで

ぜんぶ介護保険で出来ていたので、受診のはじまりから終わりまで

ずっとお客様と一緒です。

 

通常は、初めての現場の時は、先輩社員

（サービス提供責任者＝サ責といったりします）さんが「初回同行」といって

引継ぎをしてくれます。

 

家の中の物の配置やサービス内容を

目の前でお手本になりながら教えてくれるのです。

 

難しい現場の場合は何回も同行してくれたりしますし

不安な場合はヘルパー側から「同行お願い出来ますか？」と頼むことも。

 

緊急の時などは同行なしで「いきなりでごめん！」みたいな依頼もありましたが

こういう時はけっこうドキドキです(´;ω;｀)

 

とにもかくにも、最初の現場で同行も終え

次からは１人で訪問する、という大事な初日。

 

なんと私は遅刻してしまいました・・・。

寝坊というよりは、自宅への道を間違えてしまい

さらにお客様の（団地の）部屋番号も間違ってしまったのです。

 

ヘルパーは時間通りに動くのが基本で

しかもこの時は病院の予約時間も決まっている。。

冷や汗をかきながらご自宅に伺い、謝罪しました。

 

初めてのお客様は、Sさんという女性。

「いいのよ」と優しくおっしゃって下さり

団地の階段を一緒におりながら、病院へ向かいました。

 

最初は、高齢者の方と何をしゃべっていいのか分からず

Sさんがポツポツと話すのにあいづちをうつだけでした。

今思うと、Sさんが気を遣って話して下さったんだなあ、と。

 

お話を聴いていると、その方の家族構成や

どこで生まれ、どんな価値観で生きてきたのかなど

少しずつ分かってきます。

 

何度もSさん宅に訪問していると、情もわいてきます。

「ああ、病院に連れて行くだけの仕事じゃないんだなあ」

と、おぼろげに感じました。

 

家族のような、気心知れた知り合いのような。

お客様なので越えてはいけない一線があるのに注意しつつ

（けっこう、お客様は物をくれようとしたりしますｗ）

関係を紡いでいきます。

 

結局、Ｓさん宅には３年ほど訪問しました。

今生きていれば１００歳くらいになるでしょうか。

どうしておられるんだろう。。

 

仕事中の居眠り・・

あまり大きな声じゃ言えないんですが・・

この通院介助、色々なお客様とご一緒させていただいたのですが

大きな病院だと待ち時間がとても長く

２つ、３つの科をまわる時などは半日がかりの事もあります。

 

それで、私は何度か待合室で居眠りをしてしまいました。

何度もお付き合いしたお客様だと話題もなくなっていき

気もゆるんだりして・・

 

お客様に起こされた事もあります。

「寝てたでしょ」

いたずらっぽく言うお客様に

「いえ？考え事してたんですよ？ホント」

なんて。。

もう２０年以上前の事なので

どうかお許し下さい。

言うまでもないことですが・・責任ある介護の仕事中は

寝てはいけません(;´･ω･)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^♪