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愉快で素敵な物語(2)必殺「涙の連絡船」Cさん

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お客様とのエピソード集

「酔拳」Cさん

掃除の仕事のはずなのに、本当の目的は・・

ポロシャツを着た笑顔の男性

 

ホームヘルパー時代に出会ったCさんは

一軒家に1人暮らしの男性です。

 

もう90歳くらいでしたが大きな病気もなく

いつもニコニコして、いつもお酒を飲んでいる陽気な方でした。

 

私はそのお宅に「掃除」のお仕事をしに行っていました。

 

二階建てのそのお家ですが、二階にCさんが行くこともなく

 

一階の寝室がおもな生活スペースだったし

そんなに散らかっていないので

 

1時間のサービス時間ですが

正直15分もかからないうちに掃除は終わってしまいます。

 

 

他県に暮らしている娘さんが「誰も来ないと心配だから」と

安否確認も兼ねて、訪問介護を利用しているケースでした。

 

 

このCさん、将棋が大好きでアマチュア五段の腕前です。

 

ヘルパーが訪問すると、まず目の前に座らせ

一局やろう」と誘います。

 

配置でいうと

Cさんがベッドに座り

ベッドわきのテーブルには将棋盤

グラスウイスキーに、本人が切って入れた桃が浮かんでいます。

 

それをCさんが大事そうに飲んでいました。

 

あれ、美味しそうだったなあ。。

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ベッド下にはウイスキーのストックが10本くらい並んでいて

もう準備万端という感じで、誰かが来ると嬉しそうに将棋の手合わせが始まります。

 

 

私も掃除という名目?があるので、まずは掃除をパパっと終わらせて、

将棋対決になりましたが・・ 私は将棋が大の苦手。

 

結局、訪問のたびに負け続けて、対決表の記録を見たら

私は270連敗くらいしていました・・。

(別の男性ヘルパーさんが何度も訪問して何勝かしていたのは驚きました)

 

「涙の連絡船」ー 勝利宣告

「歩で王手 | フリー素材のぱくたそ」の写真

 

Cさんが強すぎるので

冗談じゃなくて本当に数分で負けることもあり

 

自分の勝ちが確定すると

彼は両手を打って鳴らし、こすり合わせて

 

満面の笑みで

ああ、もう君の負け!涙の連絡船」と言って

都はるみさんの「涙の連絡船」を歌いながら、とどめの一手を打ちます。

 

そして、桃入りのウイスキーをあおって

今日も楽しかった。またおいでね」と、送り出してくれます。

 

 

あれ?自分は何しにきたんだっけ?」みたいな

キツネにつままれたような、

でもちょっと笑いながら

Cさん宅から出る日々が続きました。

 

Cさんは話も楽しくて

とにかく人が来るのを喜んでくれるのと

 

実は寂しがりやみたいなところもあったので

ヘルパーさんたちから人気がありました。

 

私がサービス提供責任者になり

介護実習性さんを案内する時

 

まず連れて行きたい現場ナンバーワン

たくさんの新人ヘルパーさんとも同行訪問しました。

 

介護の現場はこんなに楽しい

 

ただ掃除という作業をしていれば良いんじゃなくて、この方と

 楽しい時間を過ごすことが、実は何より大切なんだよ

 

ということを伝えたくて。

 

「Cさん、実習生さんを連れて行っていいですか」と電話すると

「いいよいいよ。連れてきなさい。将棋を教えてあげるから

 

「いや、教えてほしいのは将棋じゃないんです(笑)」

というやり取りを、何度もしました。

 

介護サービスは「普通の日常」をともに生きること。

フィリピン, ボランティア, マクタン, 小島, 子ども, 子供, 女の子, 手

 

介護サービスは、お客様やご家族のニーズに沿って

ケアマネジャーが立てたケアプランをもとに

ヘルパーやデイサービスなどのサービス事業者がサービス提供します。

 

その大原則はもちろんですが

たまには書面的なプランから逸脱したところに

生身の「サービス」があるのではないかと思います。

 

「掃除だけすればいいんでしょ」という視点のヘルパーさんと

掃除もするけど、Cさんは将棋をしながらコミュニケーションとるのが

 けっこう生きがいなんだよね」という視点のヘルパーさんがいたら

 

どちらがCさん(とご家族)のニーズに合っているかは明白です。

 

あの、ざっくばらん・天衣無縫な感じに触れたら

介護の仕事って、もっと温度のある人間的な瞬間の連続だって

思うんじゃないでしょうか。

 

Cさん、なんだか仙人みたいな人だったなあ。

 

ルールを破ろうとか

プランなんて意味がないとか言っているのではなくて

 

その人がどう生きてきて、何が喜ぶんだろう。

 介護が必要になっても、それを出来るだけ守るにはどうサポートしたらいいんだろう

 

それって、福祉とか奉仕の概念とは違うところ・・

もっと「日常の普通のところ」にあるんじゃないかと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^♪

 

 

 

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