介護職の「価値」はどこにある
「ありがとうと言われる仕事です」に感じる違和感
介護職の求人広告などで、こういう文言を見ることがあります。
「ありがとうと言われる仕事です」。
これ、20年以上変わらないテンプレートです。
私は20年以上もこれについて違和感を感じていました(;^ω^)
「ありがとうって言われない業種ってあるの?」
ちょっとひねくれているかも知れませんが、正直そう思ってしまいました。
仕事は「労働が生み出す価値に対して、対価をいただく」こと。
営業職でも、コンビニでも、カフェでも、スポーツ選手でも
何かしらの対価を与えているのがプロであり
相手からの誉め言葉を「業界の売り文句」にするのは
何だか違うような・・と思ってしまうのです。
かく言う私も、介護のお仕事を始めたばかりの頃は
お客様からの「ありがとう」が、この仕事の醍醐味だと思っていました。
こんな私でも、誰かの役に立っているということが
その言葉から感じられたから。
ただ、2年くらい経験を積み、お客様からの「ありがとう」に
ある意味慣れてきた頃
「自分の仕事ぶりで、本当に感謝されてるのかなあ・・」
と思い始めました。
これは「自分って、そう言われるだけの仕事してるんだろうか」
という反省も込みなので、たぶん「成長」なんだとは思います。
でもまあ・・そう思ってしまったんですね(;´・ω・)
もっと言えば
介護が必要なお客様に、気を遣わせてるんじゃないかとも思ったんです。
介護職の「価値」を感じる時
その頃から「透明になりたい」と思うようになりました。
ワケが分からないかも知れませんが(笑)
たとえばトイレ介助をしている時とか
相手の死角に立ち、必要最低限の介助と声掛けで
あたかもお客様が「自分でトイレ動作をしている」と思うくらい
自然な感じで、そこにいたい・・と思ったんです。
排泄や入浴って、本当にプライベートなことじゃないですか。
そこに他人がいるって、やっぱり異常というか
恥ずかしいことですよね。
でも、介護が必要ということは、介護職はそこにいないと成り立たない。
少しでも恥ずかしさを減らすため、「透明になりたい」と考えたわけです。
オムツ交換されて「ありがとうね」と言っていただくのは嬉しいですが
お客様の気持ちになると
「うわあ、ありがとうって言ってもらえた。嬉しいなあ!」なんて
無邪気には言えないんですね。
反面、私が「良かった」と思う瞬間は
身体介助をした後に
お客様が自然な感じで「助かった~」とか「あれ?もう終わったの」
と言ってくれた時です。
負担も恥ずかしさも感じることなく
快適な感じを与えられたということですから
その時ばかりは「対価をいただいてもいいかな?」と感じます。
自分への戒めを込めてこの記事を書きましたが
「私の仕事は、本当の意味で『ありがとう』に値するのか」
それを、これからも自問自答していくんだろうなあ、と思います。
「介護業界に感じる違和感」 次回に続きます(^^♪
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