介護職には、どんな資格があるか
今回からは「実践編」です。
まず、どんな資格があるかを解説していきます。
これらを知る事で
「自分が何を目指していくか」
「その結果どういう風になれるのか」
をイメージしやすくなると思います。
資格は「その仕事が出来るチケット」のようなもの。
たくさん持っていれば、行き先の選択肢も広がります。
実際には「資格を持っていると優遇される」という面もたくさんあるので
出来るだけ取っておきましょう(^^)/
おもな介護の資格
介護系の資格はたくさんありますが
介護職員初任者研修
介護福祉士実務者研修
介護福祉士
社会福祉士
ケアマネジャー
などがメインどころです。
これらの資格を取ると
老人ホーム、訪問介護(ホームヘルパー)、デイサービス、ショートステイなど
介護に関わる事業所で働く事が出来ます。
では、一緒に1つずつ見ていきましょう( ・∀・)v
介護職員初任者研修
「介護職入門編」の資格です。
まずはこの資格を取り、キャリアをスタートします。
もともとは「ホームヘルパー2級」といわれていましたが
2013年に名称変更されました。
この研修では、介護の基本知識・技術などを学べます。
(経験・資格・年齢は不問)
資格取得費用(目安)
5万円~15万円 *学校によって金額は異なります。
資格取得に必要な時間数
130時間(自己学習40時間&通学90時間)
↓
カリキュラム修了後、修了試験に合格(70点以上)すると資格がもらえます。
資格保持者の月給相場
16万円~23万円ほど
研修は、全国各地で受講出来ます。
転職・求人サイト以外でも、ハローワークで研修の紹介を受けられます。
また、条件にあてはまればキャッシュバックや公的な補助金も↓↓
*外部リンク元:「介護プロ」様より
介護福祉士実務者研修
もう1つレベルアップした資格がこちら。
もともとは「ホームヘルパー1級」と呼ばれていました。
次に紹介する「介護福祉士」という上級資格を取るには
「介護福祉士実務者研修」の修了 + 介護の実務経験3年以上
が必要ですので、キャリアップを目指すうえでは欠かせません。
基本的な介護にくわえ「医療的ケア」(たん吸引や経管栄養など)も
行えるようになります。
また、訪問介護(ホームヘルパー)事業所では
「サービス提供責任者」という、リーダー・管理職につく事が出来ます。
資格取得費用(目安)
15万円~20万円 *学校により異なります。
もう介護資格を持っている方の場合は研修の免除があり、さらに安くなります。
たとえば「介護職員初任者研修」を修了している場合は3万円~5万円ほどで受講可能。
学歴や年齢は不問。
資格取得に必要な時間数
450時間の受講
*学校によっては修了試験を実施しているところもあり。
資格保持者の月給相場
18万円~25万円ほど
介護福祉士
こちらは「国家資格」です。
いよいよ「プロ中のプロ」という段階に入ってきました。
実際の業務としては、今までの介護現場でしていた事と
そんなに変わらない場合も多いですが
現場のリーダー的存在として期待されるポジションであり
周りから、目に見えて「この人、デキルな」と思われるのもこの資格です(;’∀’)
会社にもよりますが「資格手当」の対象になりやすく
私がいた会社では3万円ほどの手当がついていました。
この資格あたりまでいくと、好待遇での就職(転職)の間口がドーンと広がります。
資格保持者の月給相場
20万円~25万円ほど
資格取得費用(目安)
介護福祉士の資格は「試験(筆記・実技)に合格」しなければなりません。
受験料自体は約1万5,000円ほどです。
ただ、試験を受けるまでのルートがいくつかあるので
それにより、費用は違ってきます。
試験を受けるまでのルート(4つのうちのどれか)
①学校卒業後、養成施設に通う。
普通科高校卒業後は2年以上
福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設卒業後は1年以上
介護福祉士養成施設に通う。
②従業期間3年以上かつ従事日数540日以上で、実務者研修を修了する。
*従業期間=介護系の現場での在職期間
③福祉系高校を卒業する。
④EPA(経済連携協定)ルート
=介護福祉士資格を取るために来日したインドネシア人、ベトナム人、
フィリピン人の方々が受験する。
試験について
介護福祉士国家試験の申込み期間: 8月上旬~9月上旬頃
*「介護福祉士 試験」などでネット検索し「受験の手引き」を取り寄せて準備。
筆記試験: 翌年1月下旬頃 → 実技試験: 3月上旬頃
合格率: その年によって違いますが、だいたい60%~70%ほどです。
合格基準:
筆記試験は、全体の60%ほどの正答率&11科目すべてにおいて得点を得る。
実技試験は「介護などに関する専門的な技能」を試験官の前でおこないます。
*実技試験は「東京都」「大阪府」のみで開催。
合格発表: 3月下旬頃
試験合格後 → 介護福祉士登録申請をし、登録証が交付されると
晴れて「介護福祉士」として働けます(^^)/
登録の仕方については、試験センターより案内がありますので、それに従ってください。
社会福祉士
こちらも「国家資格」。
働く場所は「介護施設」「地域包括支援センター」「病院」「学校」などで
福祉・医療の相談業務を行います。
制度や公的なサービスの「専門コンシェルジュ」というニュアンスです(^^)
介護福祉士は「介護を必要としている人」に対してサービスを提供しますが
社会福祉士は
「障がいや病気で生活困難な人、介護は受けてないけど困っている人・子ども」
など、幅広い人をサポートします。
資格保持者の月給相場
22万円~30万円ほど
社会福祉士になるルート
社会福祉士になるには、年に1回の国家試験に合格しなければなりません。
その試験を受けるためには「6つの受験資格」があります。
①福祉系大学、短大で「指定科目」修了 *短大の場合は卒業後に、実務経験が必要。
②福祉系大学、短大で「基礎科目」修了 *卒業後、養成施設で6か月以上の研修が必要。
③社会福祉主事養成機関(大学・専門学校)卒業
↓
実務経験2年 → 養成施設で6か月以上の研修
④実務経験(*1)4年&養成施設で6か月以上の研修
(*1)=児童福祉司、身体障害者福祉司、知的障害福祉司など
⑤一般の大学、短大卒業 → 養成施設で1年以上の研修
⑥相談援助の実務経験を4年以上経験 → 養成施設で1年以上の研修
・・なんだか、漢字ばかりで頭がクラクラしてきますね(;゚Д゚)
ちょっと風景の写真でも(笑)
試験について
社会福祉士国家試験の申込み期間: 9月上旬~10月上旬頃
受験費用: 1万5,000円ほど
試験: 翌年2月上旬頃
合格率: その年によって違いますが、だいたい25%~30%ほどです。
合格基準:
・総得点の60%ほど(150点満点)
・18科目すべてで、1科目につき最低1問以上の正解
合格発表: 3月下旬頃
社会福祉士の講座についてはココから↓↓
*外部リンク元:「Brush UP学び」様より
ケアマネジャー
こちらは正式名称「介護支援専門員」と呼ばれる資格です。
通称「ケアマネジャー」「ケアマネ」。
介護系の中では、資格取得が一番難しいといわれています。
それは「試験を受けるまでにかかる期間が長い」
「試験自体が難しい」という事。
介護現場だけでなく、医療や行政などとのやり取りをして
すべてのサービスの「調整役」「中枢」といった役割なので
幅広い知識、経験、コミュニケーション能力、調整力が必要です。
介護福祉士もそうですが、ケアマネジャーも取得しておくと
「どこにでも就職(転職)出来るんじゃないか?」と思えるほど
信頼性の高い資格です。
介護福祉士は「国」が認定しますが
ケアマネジャーは「(自分の住んでいる)都道府県」が認定します。
「居宅介護支援事業所」(長いですね・・)と呼ばれる場所で働く場合
基本的にケアマネは現場には出ません。
ヘルパーさんやデイサービス、訪問看護などのスタッフさんに依頼・相談して
「ケアプラン」という書類を作ったり、その後も各スタッフさんや
お客様やご家族、役所などとやり取りをしながら
サービスを見守り・調整していきます。
ただ、介護施設などに勤務している場合、会社によっては介護現場に入る事もあります。
*ケアプラン
=お客様に、誰がどういうサービスを提供するのかを明記したもの。
資格保持者の月給相場
20万円~30万円
資格取得までのルート
受験資格:
介護系の相談員業務や、医療職(医者、看護師、理学療法士)、
介護福祉士などの国家資格を持っていて
その業務通算5年以上かつ勤務日数が900日以上の人
つまり、どんなに早くても受験するまでに5年かかります(;゚Д゚)
↓
「介護支援専門員実務研修受講試験」を受け、合格
↓
実務研修(15日間の講習+3日間の実務)
↓
資格取得
・・となります。長い道のりですね(^-^;
資格を取ったあとも、5年に1度の「更新研修」があります。
更新しないと資格自体が失効します(運転免許とおなじ)。
「う~む」と思うほど面倒に感じるかも知れませんが
この資格を取得するメリットは、その後の収入や社会的立場を考えても
かなり大きいです。
試験について
試験は年に1回、各都道府県でおこなっています。
「ケアマネ 受験」などで検索し、自分が住んでいる場所での受験地を探し
受験の手引きを取り寄せて申し込みます。
申し込み受付: 5月上旬頃~7月上旬頃
試験日: 10月
合格発表: 12月
試験内容: 「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」で構成(60問)
マークシート方式
合格基準:
各出題分野において70%以上の正答が求められます。
合格率:
だいたい15%~17%ほど
受験料
受験する都道府県によって違いますが
7,000円~1万3,000円の間が多いです。
介護系の資格まとめ
介護の仕事をするうえで主要な資格を5つまとめました。
「先が長いなあ・・」と思った方もいるのではないでしょうか(^-^;
確かに、キャリアを作っていくのは地道なものですよね。
ただ、自分の「市場価値」を上げていく為の王道でもあります。
それに「自分は1つずつ昇ってきた」と思えるのは
プロフェッショナルとして大きな自信になり
資格は、周りからも認められる「お守り」にもなります。
介護のプロとして生きていくのであれば
少なくとも、介護福祉士までの資格を持っておくと安心です。
資格と経験を積んでいき、人間性も良ければ
就職・転職に困る事はほとんどないと思います。
なんのために資格を取るのか
私自身は色々な資格を取るのは「興味」から始まりました。
キャリア形成というよりは「3年経ったら介護福祉士を取るものらしい」とか
自分のチャレンジとして、資格を取る研修に行ったりしていました。
ケアマネジャーの資格を取ったのも、別の会社のケアマネさんに
「あなた、ケアマネの資格も持ってないの?」
とバカにされて、悔しかったからでした(;´・ω・)
その資格を取ったあとは、しばらく放置していました。
まだ20代おわりくらいの自分には
「人の人生を背負う、ケアマネという管理的な立場」は、重く感じたんですね。
その後、娘が生まれたあたりで、本気でキャリアアップを考えました。
「収入を上げたい」と思い始め、自分が避けてきた「ケアマネジャー」に転職。
同時に、初めての介護施設勤務。
経験のない事を同時にやったので、かなり不安も失敗もありました。
正直、ちょっとメンタルがやられた時期でもあります。。
ただ、だいたいの事はやっていれば慣れるもの。
気が付いてみれば、自分に備わったのは
「今までより高い収入、新しいキャリア、自信、経験、知識、技術」
などでした。
目標を定めて、自分にとって意味のある事を始めてみる。
あとは愚直に少しずつ努力をする。
やる事はただ、それだけ。
・・この「それだけ」が難しいんですけど(;・∀・)
まあ、やってきて良かったなと思いました。
最初は怖くても、やってみれば何とかなります。
「行けばわかるさ」というやつです(笑)
他にも、色んな資格がある
介護系の資格や研修は、まだ他にもたくさんあります。
「音楽療法士」「レクリエーション介護士」とか(^^)
現場で役に立つ実践的なものが多いし、調べてみると面白いです。
たとえば私の場合「介護予防運動指導員」という資格を取ったあと
まだ介護が必要じゃない、地域の高齢者の方々に対して
3か月1クールで、マシントレーニングを指導したりしました。
それまで運動指導経験なんて無かった私が、この研修を受けたら
新しいキャリア、新しい出会い、プラス収入が出来ました。
資格を取るのは「キャリア形成のため」でもありますが
一番は「お客様や、職場のチームにとって役立つものを身に付けるため」でもあります。
ちょっとキレイごとっぽいですが。
研修で勉強した事を現場でダイレクトに活かせた時
「おお、スキル上がってるなあ!」と思えるのは快感です。
ガンガン、色んな資格にチャレンジしてみるのも楽しいかも知れません。
次回は「介護職になるための実践編」。記事リンクはココから↓
コメント