「旅行に連れて行くなんて無理だと思っていた」。← ご家族の言葉
ほとんど誰でも旅行に行ける時代
「介護が必要な方を旅行に連れて行ってあげたい」と思ったことはありますか？
介護職であれば
人員や法的なこと、医療面などの問題で難しいこともあるかも知れません。
ご家族としても「ちょっと自信がないなあ・・」という場合もあると思います。
ただ、調整をすれば旅行に行くことも十分に可能です。
今回は、有料老人ホームの入居者様たちと
埼玉県から栃木県に温泉旅行に行ったお話を書きます(^^)/
「入居者さんを旅行に連れて行っていいっすか？」と介護主任は言った。
ある有料老人ホームで
介護長とケアマネジャーを兼務していた頃のお話です。
まだオープンして数か月の施設で、入居者様は６名ほど。
スタッフさんの方が人数の多い時でした。
時間もあるし、人員もいるし
入居者様に、どうしたら楽しんでもらえるのかを考えていた時期でした。
ある時、２０代の若い介護主任さんが
「入居者さんを温泉に連れて行きたいんですけど、いいっすか？」
と言いました。
「いいよ」と私も答えます。
なんだか楽しそうなプランでした。
実際の企画は、その主任さんがどんどん立ててくれました。
まず、入居者様達にどこに行きたいのかを質問しましたが
「どこでもいいなあ」という返答でした。
それでは、と色々調べた結果
栃木県のホテルに泊まり、温泉に入ろうということに。
旅行会社の方を施設に呼び、予算やルートの相談をしました。
交通費、宿泊代、食事代、おみやげ代など
スタッフの付き添い代をそこに割り増しして
合計の旅行代金を出しました。
「付き添い介護費」として、スタッフの分を
自費でお支払い出来るかどうかをご家族に相談して
４名の入居者様の了承を得ました。
連絡をした時のご家族の反応は
「え？旅行？本当に行けるんですか。あきらめていたのに。
行けるんであれば、ぜひ連れて行ってください」
というものでした。
ご家族にとっては、近所に買い物に連れて行くのも
ままならないのに「旅行？？」という感覚だったのでしょう。
最初はノリだった？でも、企画は慎重に。
入居者様やご家族の了承も取れて、いよいよ具体的なプランを作っていきます。
入居者様４名は
車イス対応で尿バルーンが入っている女性
お体が元気な女性
認知症が進み、少し歩行介助が必要な男性２名
でした。
付き添うスタッフ４名は
施設長、私、介護主任、看護師です。
一泊二日の温泉旅行に行く前に、１つ課題がありました。
バルーンをしている方は、温泉に入れないのですが
その方はどうしても温泉に入りたかったのです。
さらに、温泉の設備を聞いてみると
岩で出来た湯舟までに３段ほど階段があります（手すり付き）。
その方は医師から「もう一生バルーンは取れない」と言われていました。
施設に来てもらっている医師に相談して
「バルーンを外す作戦」が始まりました。
看護師主導のもと、毎日少しずつバルーンを外す時間を作り
自己排尿を促します。
うまくいかない日もあるので注意しながら
でも、だんだんとバルーンを外す時間が増えていきました。
同時に、温泉に入るためには歩く筋力も上げないといけないので
日々のリハビリも頑張っていました。
結果的にどうなったかは、次回の記事↓に書いてあります。
また、別の男性入居者様２名は
認知症状の進行で、旅行とはいえ環境の変化が心配になったのと
２名とも、いつも「刻み食」を食べているので
旅行の時の食事形態はどうしようかな、と考えていました。
こちらについても驚く結果となりました(^^)/
（続）
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